
馴染みの小料理屋が閉店した。
もう30年来の付き合いだから、閉店は寂しく感じた。
30代の頃は1週に2度、多いときは週4度くらい通って、晩酌代わりに利用していたが、40代の頃は月に1度に減り、50代の頃は年に2度ほど足を運ぶくらいになっていた。
最近は、店の前を車で通りすぎるだけで、ここ10年はご無沙汰していた。
店主は2歳年上だから、個人営業の料理屋の店主とすれば、まだまだ現役バリバリで動けるはず。
健康を害した話しは聞いていないし、最近フッと見かけた姿も変わりなかった。
閉店の所以を尋ねる気はないが、商売人が商売を畳む理由は「儲かっていない」に尽きる。
客が減って売上が落ちて、採算が取れなくなって、商売は消えて行く。
客の数が増え続けている商売は繁盛し、減り続けている商売は衰退する。
極めて当たり前な商売の原理原則だ。
だから、商売を続けて行くためには、「客」を増やすための仕掛けや工夫が必然だ。
繁盛している店が「今のままやっていれば安泰だ」と思ったら、必ず落ちる時が来る。
今の繁盛を支えてくれる「客」は、いずれ店を離れる時が来るから、繁盛している時でも、増客のための仕掛けと工夫を怠ってはならない。
商売は、実に地道な顧客創造の連続で成り立っている。