2015年12月


時代を反映して、年賀状の文化は薄れる一方だ。


新年に届く年賀状の9割は印字のもので、手書きの賀状を見ることは少なくなった。


せめて一筆くらいは肉筆が添えられていて欲しいものだ。


以前は毛筆で心がこもった賀状を頂くことも多かったが、そういう賀状を頂くと有難味さえ感じたものだ。


年賀状文化の薄れに伴って、年賀ハガキの販売数も減り続けているらしい。


一方で、郵便局の職員に年賀ハガキの販売ノルマが厳しくなっている報を見た。


1000枚は当たり前で、多い職員は1万枚ものノルマが課せられているという。


売りに窮した職員がノルマ分のハガキを買い取る“自爆営業”まで出ているそうだ。


ショッピングモールのロビーで年賀はがきを売っている郵便局員も、元気が無くて販売に気が入っていない。


文化が薄れて売れなくなった商品に力任せに販売ノルマを課せるのは、お門違いのマネジメントだろう。


消える文化に脚を置いた商売は淘汰される。







手習いを始めた頃は下手で、まともな出来栄えには程遠くても、長く続けていれば巧くできるようになるものです。


機械設計に就いた頃、図面の書き方が下手で先輩に随分手直しされましたが、5年も経つと質が高い全面を描けるようになりました。


包丁研ぎも、初めは刃立てが出来ずに切れ味が悪くても、幾年も研ぎ続けていれば上手に研げるようになります。


毎日毎日、一つ事に取り組んでいれば、誰でも巧くなることは経験から言えることです。



人を欺くことばかり、無関心ばかり、怒ってばかりの毎日を続けていると、そういう悪い癖も巧くなってしまいます。


世の中には悪い癖を続けて、悪さ上手な人間になってしまった人もいます。


要領よく困難をすり抜け続けて来た要領上手な人が、要領を使えない真っ向勝負の場面に直面したら、きっと挫折してしまいます。


世の中、要領だけでは生きて行けませんから、何事にも正面切って臨む習慣を己に課す実直さが大切です。


良い習慣を続けて、巧くなりたいと思います。








定期的に地場の街中を歩き回ってみる。空きテナントが少しずつ増えているような感じがする。


1か月の単位でみれば変化は気付かないが、1年前と比べれば、確実に空きテナントは増えていることが分かる。


5年というスパンで見ると、地場の空きテナントの増加は驚くほどだ。


商店街の閉ざされたシャッターの数も増えた。


アベノミクスで景気に明るさが見えたと報じられても、街角景気はまだ明るさは見て取れない。


起業率も上がっていないから、地場の産業は総じて沈下しているのだろう。


行く先で、当地のテナントは入居率を上げるために、入居者の奪い合いが起こるのではないかと思う。


賃料の値下げ合戦が展開されるのではないだろうか。








お金を支払って歌舞伎を見に行く客は、目に映る芝居や演舞を楽しめれば良いだけだ。


良い芝居の舞台裏に客が思いを馳せる必要はない。


主催する側だって、客に舞台裏の苦労など思って欲しいとは思わないはずだ。


喝采を浴びるのは役者で、裏方は裏方として、自分の仕事に誇りを持っていて、役者の喝采にヒガミを持つような裏方はプロとして失格だ。


JAXAがロケットを宇宙に運ぶのも、数えきれないほどの裏方が居て、そういう裏方の力添えがあってロケットが宇宙に飛んで行く。



会社にも喝采を浴びる華やかな仕事もあれば、舞台裏で陽の光すら感じられない裏方の仕事もある。


そういう裏方がひがまずにプロとしての仕事に徹している会社は強い。


裏方まで目配りできる経営が大事だと思う。









社用で香川県に行く度に“讃岐うどん”を食べます。


うどん好きなので、武蔵野うどん、水沢うどん、半田うどん、郡内うどん、きしめん、等々を食べていますが、うどんの中では“讃岐うどん”が一番美味しく思います。


もう20軒を越える店の“讃岐うどん”を食べましたが、本場讃岐ではどこのうどん屋も美味しいかと言うと、そうでも無くて、ピンからキリまで差があります。


時折、通販で“讃岐うどん”の手打ち生麺を取り寄せますが、これもピンキリがあって、どこの店も美味しいという訳ではありません。



“讃岐うどん”だけの話しではなく、リフォームでも、宿泊施設でも、モノ造りでも、施工でも、「ピンからキリまで」は当たり前に在ります。


お客様が何も知らずに、宣伝広告を鵜呑みにしてキリ(低レベル)を選択してしまうと悲惨です。


当社で扱う“防犯カメラシステム”が、アナログの機器だった時代は、街の電気工事業者が配線しても使えたのですが、映像鮮明度が数百倍に高度化した現代のデジタル(ネットワーク)カメラになると、「電気工事のついでにカメラ配線を頼む」という訳には行きません。


当社の業界も宣伝上手に「セキュリティ・プロ」を自称する不埒な業者がいます。


お客様の賢い判断に委ねるしかありません。






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