
不況で業績が4割減になったとか、半減したという嘆きを多く耳にします。
どこの経営者も同じような悩みを抱えていますが、注目すべきは、業績の悪化に対する経営者の対処法です。
好景気に乗じて積極的な投資を行ったツケを、不況の局面でどのように対処するかは経営者の重要な判断です。
拠点網を好景気の当時に広げたものの、不況で拠点の採算が悪化して、拠点の維持費がお荷物になりながら、「行く先で景気が好転するまで耐える」と判断すれば、不採算拠点は赤字を垂れ流した状態が続きます。
予測とおりに景気が好転すれば、垂れ流した赤字も取り返すことができますが、予測が違って不況が長引き、不採算拠点が垂れ流した赤字が会社の存亡を脅かす状態に至れば、後の祭りになります。
企業体力と景気判断と採算計算が巧く噛みあわないと、致命傷になる難しい局面です。
不確かな景況予測に頼らず、不採算拠点を迅速に閉鎖して、徹底的な合理化を図り、スリムな体制で出直しを図るやり方もあります。
折角、苦労して、多大な投資をして広げた拠点網でも、「再び業績が伸びれば拠点も広げられる」と過去の成果に執着せず、冷静な判断をする選択もあります。
経営者自身の執着が経営の的確な判断を歪めないように注意しなくてはならないと思います。