2013年06月

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仕事帰りが遅くなって、途中で軽く饂飩でも食べようと、饂飩をメインにしたファミレス風チェーン店に入りました。
 
饂飩は好きな食べ物ですが、予ねてからこのファミレス風饂飩チェーン店の麺はコシが無くて、お世辞にも美味しいとは思いません。
 
しかし夜遅くだったので馴染みの蕎麦屋も閉まっていますから、妥協してこのチェーン店で食べることになりましたが、やはり不味かった。
 
「美味しい饂飩が食べたい」と思ったら、このファミレス風饂飩チェーン店を選ぶことはありません。
 
このファミレス風饂飩チェーン店を選ぶのは
 「味」ではなく、
 「手軽」とか「安値」とか「夜中」
という条件に拘束されたときに利用価値があります。
 
単に「饂飩を食べる」という目的でも、店を選ぶ客の側は様々な条件の下に選択しますから、「味」を追及することだけが飲食店の本筋ではないと思いました。
 

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約20年商売をやって来て、片時も頭から離れない言葉が「今のままじゃダメだ」です。
 
それなりに利益を出して納税が果たせ賃金も遅れることなく支払って、仕入先への支払いや返済も滞ったことはありませんが、目先の3ヶ月先や半年先の頓挫は無くても、今のままの様子で商売を続けていたのでは、2年先には絶対にジリ貧になるはずだと強く思い込んでいます。
 
だから常に行き詰まることを前提にして事業自体を改革することが習慣になってしまいました。
 
業績が好調なときは
「間もなく頭打ちになるから次の一手を打っておこう」
と思うので、儲けを次の投資に注ぎ込んでしまいます。
 
どこかで「安定」という踊り場が欲しいと思いますが、それは思いだけで終わり、すぐに「いまのままじゃダメだ」と考えて踊り場から動き出してしまいます。
零細企業ですから臆病な経営姿勢が体に沁み込んでしまったのでしょう。
 

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男前で、仕事が出来て、遊びも上手で、話題が豊富だった同僚が、私と同じ時期に独立起業しました。
起業当初は頻繁に会って、商売の様子を意見交換していましたが、互いに商売に行き詰まって辛酸を嘗める時期を迎えた創業2年目には、会うことも無くなり、音信も途絶えてしまいました。
 
数年後、彼から電話がかかって来て、空白期間の様子を話していましたら、彼も私と同じように資金繰りに苦悩していたようでした。
 
その電話の数日後、彼が当社に来ることになって、当日の彼を見て、私は言葉を失ってしまいました。
 
頭髪も眉毛も抜け落ち、わずかに残った髪の毛は白髪となり、肌は土色に澱んで、羨むほどの端正な顔立ちやカッコ良さはなく、目力は失せてモウロウとしていました。
「どうしたの?」
「資金繰りの苦労で心と体がボロボロになったよ」
 
分る気がしました。
 
支払うべき代金を工面できない場面で、背筋を抜けるゾッとした感覚や、血管に毒が巡って行くような感覚。
己の力不足で迷惑を掛けた人への自責の思いが募って、眠れぬ日が続いてモウロウとする毎日。
 
私よりも辛い場面を経験したのか、
精神と肉体の体力が私より弱かったのか、
今、彼はどうしているだろう。
 

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尊敬している経営者の方ですが、私は彼の波乱万丈な経営の歴史を、長い間事実として見てきました。
 
紆余曲折、挫折してドン底の様子も見ましたし、順風満帆で羽振り良く豪遊している様子も見ました。
 
電車の一駅を乗る電車賃にも窮して、夏の炎天下を汗しながら歩いていた姿。
 
そういうドン底のときは多く語らない彼でしたが、飛ぶ鳥落とす勢いで繁盛していたとき、ドン底時代の出来事を多く語り聞かせてくれました。
 
彼はよく「泥水を飲むような思いで辛抱を重ねた」と言っていましたが、傍で見ていても、そういう時期がありました。
 
何の苦労も踏まないで、追い風のまま何十年も経営を重ねた経営者など、一人として居ないのだと思います。
 

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尋ねた質問に対して、簡潔明瞭、的確な答えを返してくるときは良いのですが、答えに尾ヒレが付いたり、前置きや曖昧さがあると、「何かあるのでは・・・?」という疑問が湧きます。
 
警察が職務質問するときでも同様だそうで、質問に対して答えに簡潔さがない場合は疑念を抱くそうです。
 
「白か黒か?」と尋ねているのに、答えが灰色だったり、「そもそも白とは~~」などと講釈の前置きがあるときは、何かしら都合が悪い隠し事があるに違いありません。
 
「例の商談はまとまるのか?」と担当者に切り込んで、
簡潔に「当月確定です」と返ってくれば安心ですが、
「客先担当者は当月で・・・」などと尾ヒレが付いて来たら、
その商談は「不確実な状況にある」と予測します。
 
担当者は「何とかしよう」と思って努力していますから、良い結果の報告のために焦ります。
 
事実を正しい状況で把握するためには、簡潔明瞭な答えを引き出す問い掛けが一番効果的です。
 

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