setubi


日産自動車が1万2千百人以上の人員と余剰設備を整理する記事が挙がっている。
余剰な設備と人員を整理して事業の体制を組み直すらしい。

この経営改善の根底にあるのは「販売不振」だ。
車が売れ続けている時は、設備を増強し陣容を拡大するが、売れなくなれば使わない設備は置いておくだけで無駄だし、仕事が無い人も遊ばせておいたら“金食い虫”だから無駄になる。

売れている時は加勢に増強拡大し、売れなくなったら捨てるという、非常にクールで人情とか温かみを無視した経営手法は大企業とか上場会社だから出来る経営だ。
会社が株主のもので、株主から委任された経営者は、株主のために株主を見て経営をするから、資本の原理からすれば、こうした経営は至極当然で文句のつけようがない。

これを零細企業の経営者の目線で見ると、整理された人達はどうやってその後の生活を組み立てるのだろうか?という懸念が頭をよぎり、クールに人員整理を発動できない。
零細企業だって、会社法的にみれば会社は株主のものだけど、集う社員さん達の生計の糧になる会社だから、売れている時に雇い入れた人を売れなくなったからと言ってクビにするという訳には行かないと思ってしまう。

合理性の大手企業、情実の零細企業ってところだろう。


売れて業績が拡大路線に乗って、設備と陣容を増強拡大させるとき、「もしも売れなくなった時に余剰な社員さんのクビを切り出すことになるが、それでいいと思えるなら一気に拡大路線を走れ」と零細企業の経営者は自問自答しなくちゃいけない。

事業規模を拡大することが「是」で、資金繰りにも困らず世間相場よりチョットだけましな給与体制のボチボチ経営は「非」のような見方が違うんじゃないかと思う。

1万2千百人に支払う給与だけで400億円以上の合理化だから、零細企業のオヤジには計りようがない経営判断なのだろう。