
肥料や水を与えて、「早く育て!」と言っても、野菜はすぐに実ってはくれない。
土壌をマメに管理して、適切な施肥や水を与え、野菜の成長を阻害する雑草や害虫や病気に気を付けて、その上で育つまでの時間を待たなければ、野菜は育たない。
種を撒いて、適当に肥料を与えて、気ままに水を撒いただけで、野菜が育つ訳がない。
まさに、手塩にかけて、時間の辛抱をしながら、食べる野菜は育つ。
家庭菜園での野菜作りで、そんな当たり前の理屈を学び取ることができる。
野菜よりも面倒で、複雑な“人”を育てる場合、企業では実にお粗末な扱いをしている。
ビジネスの理屈もまったく知らない若者に、手間と時間を掛けずに戦力化を求めようとする。
まるで、「打ち出の小槌」を使うかのように、時間と手間を惜しんで速成を求める。
無理が祟って、素材の若者は企業の将来を担う“人財”に昇華できず、根腐れして廃棄される。
肥料・水・土壌・日照・病害虫etc、そして長い時間。
野菜育て以上に神経を注いで関わらないと、人は育たない。
配属された新人をほったらかしている上長を見ると、腹が立ってくる。