家庭菜園でキュウリを作るのに、神頼みしたって実りは得られない。
土を耕し、元肥を入れて、種を撒き、水を与えなくては芽も出ない。
そもそも“種”を撒かなきゃ芽すら出るわけがない。
自然の道理だ。
海に釣りに行って鯛を釣るのに、針に餌も付けずに仕掛けを投げ込んでも、鯛は釣れない。
撒き餌を効かせて魚を集め、海底付近に餌を漂わせて、用心深い鯛に食い込ませる。
天に向かって合掌し、「釣らせてくれ」と頼んでも、理に叶わなければ釣果は無い。
営業担当の数字が伸びない。
営業の部門長の報告を聞けば、売れない理由を饒舌に語る。
報告内容はなかなかの説得力があって、聞くほどに「なるほど・・・」と思う。
しかし、営業の数字が伸びないのは、“決定的に商談の数が少ない”からだ。
月に100件の商談をする人と、月に5件の商談をする人に、成果に差がないことなど、ビジネス40余年の経験からお目にかかったことがない。
キュウリの栽培で5粒と100粒の種まきが、同じ収穫になるはずがない。
5回しか投げ込まない餌と100回のそれとが、同じ釣果であるはずがない。
種を撒かなきゃ芽は出ない。
お客様にアプローチしなきゃ、商談に繋がるわけがない。
今の時代、待っていて注文が入り続けることなどありえない。