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菜園で作る野菜の種を買うと、種袋には栽培の方法や種撒きの時期の他、発芽率が記されている。
発芽率80%の野菜種なら、20%のロスを考えて、必要苗数の種を撒かなくてはならない。
10株欲しいなら、計算上は13種を撒かなきゃならない。
実際は2倍の20種を撒いて、元気はいい10株を選んで栽培することになる。

そうして選んだ10株が全部うまく育って実りを付けるかというと、なかなかそう巧くは行かず、育てている途中で、害虫や病気に侵されて枯れてしまうこともある。
病害虫だけではなく、日照や気温や雨量によって巧く行かないこともある。

野菜作りも仕事と同じで、成果(結果)を獲得するのは簡単じゃない。


野菜作りには大原則がある。
トマトを欲しけりゃ、トマトの種を撒かなきゃ、トマトは実らない。
当たり前の話しだ。
種を撒きもしないで、ジッと畑を見ていても、畑にトマトは生えて来ない。
神頼みしたって、スマホでトマト栽培を検索したって、野菜作りを学んだって、「トマトの種」を撒かなきゃ実りは得られない。


会社の営業員が受注を増やしたいと思っても、営業員が種を撒かなきゃ受注は入って来ない。
会社の商品をお客様に売り込まなきゃ、注文が来ない。
会社の椅子に座ってパソコンを覗いていても、お客様からの注文は入って来ない。

仮に、テレアポをやっても、野菜種の発芽率に似ていて、掛けた電話の全部が商談になることはない。
「千三つ」という言葉があって、1000のアプローチで3件が商談になれば運がいいと言う。
その3件から受注につながるのは、10分の1と言われるから、1万件のアプローチで3件の受注という計算になる。

この途方もない“低確率”(低発芽率)に懲りてしまっては営業という仕事は務まらない。
懲りずに種を撒き続けた人に成果がついて回る。
懲りて種まきの手を休めた人に成果はついて来ない。

発芽率が悪くても、種まきの手を休めたら、実りは得られない。